6月中旬、NHKTVいばらきで、「ひたちなか市にある馬渡はにわ公園の花菖蒲が見頃だという紹介があった。その後一週間ほど過ぎた6月27日に思い出して見に行った。TVに出てから暫くたっていたので、咲いているかなと思いながら行ったのだが、最盛期は過ぎていたがまだ咲いており、見に来る人も多かった。
此処のはにわ公園は馬渡埴輪製作遺跡として国指定の遺蹟であり、それを整備して水辺に花菖蒲を植えたりして市民の憩いの場にしたもので、平成3年に地元住民が菖蒲の植栽を始めたのがきっかけで、28年目を迎えた現在は2,500平方メートル、約4,000株、2万本を超える大きな花菖蒲園になったとのことである。
この遺跡は昭和38年に地元の中学生がヤマユリの球根を掘っていて、馬型埴輪を発見したのがきっかけで、遺跡調査の結果、粘土採掘抗跡、工房跡、窯跡、工人たちの住居跡が発見され、古墳時代の5世紀から6世紀ころ(約1,500年前)に操業していた埴輪製作工程を検証できる遺構であることが確認され、原料の粘土採掘から形の形成、焼き上げるまでの一貫した実態が判る古墳時代後期の埴輪製作所跡として学術的価値が高いとのことであり、昭和44年に国の史跡指定を受けている。
公園の入り口には国指定史跡として馬渡埴輪製作遺跡として当時の様子を描いた大きな解説の看板が建てられており、発掘調査が昭和40年から平成3年まで20回にわたって行われ、粘土採掘抗跡25ヶ所、工房跡12基,窯跡19基などが確認され、人物、馬、円筒などの埴輪が多数出土したということなどが書いてある。
花菖蒲園の奥にある馬渡埴輪製作遺跡の発掘調査をした丘に行くと、発掘跡を象った生垣で当時の粘土採掘抗の跡、窯跡、工房跡、住居跡などに仕切られ場所があり、それぞれ説明板が置かれている。
また市指定考古資料として馬渡埴輪製作遺跡からの出土埴輪のうち、人物埴輪と馬形埴輪が指定されており、ひたちなか市ホームページのひたちなか市の文化財紹介ページに写真と解説があるので、そこから写真を転用させて貰った。
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花菖蒲の方は遺跡のある丘の下に広がる湿地帯に植えられている。中央付近に大きな傘を広げた場所があり休憩用のイスとテーブルが置かれていて人が集まるようになっている。上流の方は狭くなり菖蒲園を見下ろせるように橋が掛かっている。
菖蒲畑の両側には木道が作られており、左右に通れるようにところどころに何ヶ所か木道の通路がある。花の色も紫から白、赤紫、紫と多くあり、花びらは白だが中央の花弁は薄紫だのと、いろんな色の花があった。
下流にはあじさいが植えてあり、湿地には蓮が植えられているが。蓮は花が終っているようだった。
夕方で曇り空になり、花も最盛期からも過ぎていたが、縄文時代に埴輪製作をした場所であることを知っての花菖蒲鑑賞は近所が閑静な住宅街であるせいもあり、1500年前に思いを馳せながら現在との違いを考える奇妙で複雑なひとときだった。
(この項終わり)
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