奥飛騨3

’05八千穂、奥飛騨、白川郷、高山 （3)　

イバイチの
旅のつれづれ

　八千穂高原から奥飛騨へ
　　　（平成１７年１０月１６日～１０月１９日）
　第３日(１０月１８日）
　　荘川―飛騨高山―ＯＹＡＤＯ夢の屋（泊）
　第４日(１０月１９日）
　　　　　　　　　　　　飛騨高山―松本ＩＣ―中央・常磐道―帰宅
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（自家用車で）
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５．荘川
　白川郷から国道１５６号線を南下して荘川（しょうかわ）に向かう。その途中に御母衣（みぼろ）湖がある。御母衣湖は昭和３６年(1961)に完成した御母衣ダムのことで、７年間の激しい反対運動があったが電源開発初代総裁である高碕達之助の誠意ある態度によって反対していた人たちの気持ちが和らぎ解決した。その時高碕は水没予定地にあった樹齢４００年以上のエドヒガンザクラを何とか生かしたいと思い。桜博士といわれた笹部新太郎という人に桜の移植を依頼した。
　移植する桜は光輪寺の重量約３５トンの桜と照蓮寺の重量約３８トンの桜で、それを200m上部の山腹に引き揚げ、約1,500m移動させるという前例のないものだったが、笹部は困難を乗り越えて移植の翌年の御母衣ダムが完成した昭和３６年(1961)に活着に成功し、老木は蕾を付けた。
　移植から１０年経った昭和４５年(1970)には２本の老木は満開の花を咲かせ、笹部と水没地に住んでいた住民たちは事業の成功を喜びあったという。（この項ウィキペディアを参考にした）国道１５６号線の御母衣湖畔展望台に「荘川桜」と命名されたこの２本の桜の巨木がその雄姿を見せている。（写真は照蓮寺桜全景、照蓮寺桜の幹、光輪寺桜の幹）
　さらに南下すると合掌造りの家を展示してある「荘川の里」がある。以前白川郷は世界遺産になっている白川村荻町合掌集落付近は下白川郷と呼ばれ、高山市荘川町を上白川郷と呼んでいたそうである。しかし御母衣ダム建設によって荘川の合掌集落の多くは湖底に沈み、または移築されて現在は「荘川の里」に展示されている５民家しか残って居ないということである。（写真は荘川の里入場券、旧宝蔵寺庫裡、旧木下家住宅）
　豪雪地帯の白川村の切妻合掌造りに対し、雪は比較的少ないが寒さの厳しい荘川では入母屋合掌造りが発達したそうで、荘川の里にある民家は入母屋合掌造りになっており、「鼻小屋」という屋根から出窓が突き出した構造が特長だそうである。（写真は旧渡辺家住宅と内部の木組）

　荘川ＩＣから飛騨清見ＩＣまで東海北陸道に乗り、高山清見道路に乗り換えて高山に向かう。高山では「ＯＹＡＤＯ夢の屋」というバラの花を浮かべた温泉のある小さな宿に泊まった。

６．飛騨高山
 　翌朝、高山陣屋前の朝市から古い町並みを散策した。飛騨高山は元禄５年に徳川幕府の天領になり、以後明治維新まで江戸から代官や郡代が治めていたが、その政務をおこなう場所が高山陣屋である。陣屋前の広場では毎日６時から１２時まで朝市が開かれており観光客などが買い物をしている。（写真は高山陣屋前の朝市３景）

　そこから宮川を挟んで上一之町から上三之町までの通りが並んでおり、高山市三町伝統的建造物群保存地域になっている。この地域には江戸時代から明治にかけての建物が数多く残されており、昭和５４年(1979)に国の重要伝統的建造物群保存地域に選定された。それが古い町並みとして観光スポットになっている。町並みは出格子（でんごし）という格子窓の家々が整然と並んでおり、江戸時代から続く酒蔵や和雑貨の店、土産物店などが軒を連ねており、見て歩くだけでも楽しめる。（写真は古い街並み７景）

　古い町並みの北側には弥生橋から鍛冶橋の間の宮川沿いに350mに亘って宮川朝市というもう一つの朝市が開かれる。ここも毎日６時から１２時までだが陣屋前朝市より規模が大きいようで道を歩いている人も多かった。（写真は宮川朝市）

　宮川朝市から更に宮川沿いに西に行くと、桜山八幡宮の表参道に出る。高山祭は春（４月１４日～15日）と秋（10月9日～10日）行われるが、春は市の南側にある日枝神社の例祭で、秋は北側にある桜山八幡宮の例祭であり、まつりの地域も屋台も全く違うのだそうである。（写真は桜山八幡宮）

　桜山八幡宮の近くに高山祭屋台会館があり、祭の実物屋台（国指定重要文化財）を常設展示している。写真を撮ったが、露出が合わず三脚も無かったのでぼけた写真になってしまった。その中で屋台行列の先頭に立つ神楽台という大太鼓の屋台と鳳凰台という秋の高山祭最大の屋台の写真を載せた。（写真は神楽台、神楽台の大太鼓、鳳凰台）
　屋台会館付設の｢桜山日光館｣には日光東照宮を実物の十分の一で１５年の歳月をかけて大正時代に制作された精巧な模型が展示されている。名工左甚五郎は飛騨高山の出身と言い伝えられている縁もあるとのことである。（写真は陽明門付近の模型）

　　帰りは飛騨高山を１２時頃に出発して安房（あぼう）峠旧道を通った。紅葉も進んでいるようだったがガスが掛かって展望が利かず見えなかったのは残念だった。車は少なかったので、多くあるヘアピンカーブにもあまり神経を使うこともなく通過できた。
　松本ＩＣから１５時に長野自動車道に乗り、中央道、首都高速、常磐道を乗り継いで、水戸の自宅に帰ったのは２１時、本日の走行距離434km、４日間の総走行距離1,175kmだった。（写真は安房峠２景）