十勝、帯広
十勝でのホテルは当初十勝川温泉を予定していたのだが、北海道ホテルの名に惹かれて帯広市内のリゾートホテルにした。このホテルも十勝川温泉と同じく天然モール温泉である。
モール温泉とは、葦などの自生植物が長い時間をかけて堆積した亜炭層から湧出する温泉で、植物性(モール)の有機物を多く含み、肌への刺激が少なく、一般の温泉にくらべ天然保湿成分を多く含むため、湯上りに肌がしっとりツルツルの効果がある温泉だそうである。
ここでもチェックインの時 「記念旅行おめでとうございます。今回は1ランク上のお部屋を用意しました」 と言われた。どのような部屋かと期待したら案内してくれた女子従業員は、「当館に2つしかないサウナ付のお部屋です」と言う。部屋は8階建ての7階で、テラス付きの良い部屋だったが、サウナには入る気はさらさら無く、どうせなら温泉付きの部屋だと良かった。(写真は左がバスと奥の扉の先にあるサウナ室、右がテラスからの帯広夜景)
金婚旅行最後の夜ということで少し奮発して別料金で懐石料理を食べる。料理を運んできた女子従業員に 「ここは北海道で一番良いホテルなので北海道ホテルというの?」 と尋ねたら、 「一番北海道らしいホテルということです」 と返された。成程十勝産の重厚な赤レンガ、高い木々が生い茂る広い中庭を持つこのホテルでゆっくり過ごす時間は北海道に来ていることを実感するひとときかもしれない。
翌朝、十勝川温泉の近くにある十勝が丘展望台に行く。小高い丘の展望台からは眼下に十勝川を見下ろせ、その先には帯広市街と十勝平野が広がっている。遥かかなたには日高山脈がかすんで見える。雄大な眺めである。
再び帯広市街に戻り、帯広・広尾自動車道を中札内ICまで行く。自動車道はまだここまでしか開通していないが、将来は広尾町から襟裳岬まで通じるのだろう。インターを降りたところにある道の駅
「なかさつない」 から少し西に行ったところにガーデン街道の施設の一つである 「六花の森」 がある。
ここは日本で初めてホワイトチョコを作った北海道の代表的な菓子メーカーである六花亭製菓が経営するガーデンで、園内には北海道の花の絵を描いた六花亭の包装紙を作った坂本直行の記念館もある。平成17年に開業したそうだが、まだ未完成で花なども少ないと聞いていたこともあり、今回は立ち寄らないことにした。六花亭は近くに
「中札内美術村」 という広大な敷地に3つの美術館を持つ施設も運営しており、十勝地方の文化の発展に尽力している。
道の駅 「なかさつない」 から 「花畑牧場」 を目指す。ここはテレビの人気旅番組 「旅サラダ」 で長くレギュラーを務めていた田中義剛が牧場長で、東京ドーム5個分の敷地を持つ牧場だそうである。ここの名物としてアイスクリームに熱い生キャラメルをかける
「ホットキャラメルアイスクリーム」 があるのでぜひ食べるといいよと、出がけに言われたので早速食べることにした。熱く冷たい複雑な味だったが、「これはお土産には持って帰れないな」
などと言いながら食べた。1個480円である。費用を拠出してくれた娘たちや、孫たちの土産に 「花畑牧場生キャラメル」 をクール宅急便で送った。
次に旧国鉄で帯広−広尾間を走っていた広尾線が廃線になった後も、今に残る愛国駅と幸福駅に行く。 「愛の国から幸福へ」 のキャッチフレーズで一世を風靡した駅である。愛国駅と幸福駅は隣り合っているのではなく間に大正駅があるのだがこの駅は無視されている。愛国駅舎は新設されて「旧愛国駅交通記念館」という名称になり、当時の時刻表やいろんな機器類が展示されている。また構内には蒸気機関車も展示されていた。
愛国駅と幸福駅は平成20年に「恋人の聖地」という認定をされたそうである。「幸福駅」は昔の駅舎のままだが、ホームへの上がり口にハッピーベルというシンボルの鐘が設置された。構内には当時のジーゼル車2台が置かれている。
駅舎の前の売店では切符を売っており、値段は当時の運賃と同じ220円である。「お守りだ」と言って30枚も土産に買っている人がいた。
幸福駅からとかち帯広空港へは10分以内で行ける。空港前のトヨタレンタカー営業所で車を返す。走行距離560kmだった。空港内の売店で六花亭のホワイトチョコを土産に買い足し、長かったようなまた短かったような金婚旅行の5日間を思い返しながら機上の人となった。
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