山陽路1

山陽路点描 (１) 安芸の宮島①　

イバイチの
旅のつれづれ

１．出発準備から神戸空港へ

　２０１０年３月に茨城空港が開港されてから１年半が経過した。折角近くに空港が出来たのだから一度利用したいと思っていたが、１０月中旬に機会を見つけて神戸空港までフライトし、安芸の宮島から倉敷、岡山、神戸と廻って来ることにした。

　自宅がある水戸市下市からは、北関東道の水戸南ＩＣから東関東道に入り、茨城空港北ＩＣまで高速道路を利用し３０分から４５分の距離である。茨城空港からは、国内はスカイマークが神戸間に往復１便、札幌間に往復２便毎日運航している。海外は中国春秋航空が、週３便上海間にチャーター便を出している。また東日本大震災前は韓国アシアナ航空がソウル間に毎日往復１便運航していたが、震災以後運休している。（写真は茨城空港正面と１階ロビー）

　運賃は札幌、神戸共最も安い「ＷＥＢ割２１」を利用すると片道５，８００円（金、土、日は７，８００円）である。ＪＲ新幹線、常磐線特急を利用したジパング倶楽部の３０％オフで水戸―新神戸間片道は１２，０００円位なので、大幅に安い。茨城空港には１，３００台置ける広い駐車場があり、１４日以内であれば何日間でも無料で利用できる。（写真は送迎デッキからのスカイマーク機と駐車場）

　今回の旅の第一の目標は以前から行きたいと思っていた大原美術館でエル・グリコの「受胎告知」をはじめとする名画を鑑賞することである。東京の美術館ならばその気になれば行くことが出来るが、岡山くんだりまで簡単に行けるとは考えていなかった。しかし茨城空港が出来て、神戸便が就航することになったので何とか行ける可能性が出てきたのである。第二は岡山後楽園である。水戸偕楽園、金沢兼六園と共に日本３名園と云われているので水戸市の住民としては関心がある。金沢兼六園は「奥の細道」を巡った時に訪問してあり、三者の比較をしたいと思った。

　三番目はミナト神戸の夜景を見ることである。以前訪問した時は北野異人館や山の手の方面からの夜景を見たので、今回は神戸ベイサイトのホテルに泊まり、ミナト神戸の夜景を満喫したいと思った。さらに７８才の年齢を考えると何回も行けないだろうからと世界遺産に認定された安芸の宮島まで足を伸ばそうと欲張って3泊4日の日程で平成２３年１０月１１日に出発した。（写真は搭乗するスカイマークB７３７機）

　家内は足が弱ってきてあまり歩けないというので、今回も気楽なひとり旅である。あまり好天は望めないようだったので折り畳み傘や夜景を写すための三脚を持参した。神戸便は茨城空港１３：００発のＢ７３７（１７７人乗り）である。フライト中は雲が多かったがその切れ目から富士山が顔を出したり、明石海峡大橋が眼下に見えたりして飽きることは無かった。
　
　神戸空港には定刻の１４：２０に到着した。空港から三宮までポートライナーというＡＴＯ（自動列車運転装置）による無人運転の車両が運行していて１８分で行け、三宮から新神戸までは地下鉄に乗り２分で行けるというので、事前に新神戸発１５：１３の新幹線の指定券を買っておいた。５０分あれば悠々乗れるだろうと思ったのだが、空港でポートライナーに乗るまでに１５分かかり、三宮で地下鉄に乗るまでに１０分、新神戸でも新幹線ホームまで行くのに５分ほどかかり、大汗かいてギリギリの時間でやっと乗れた。始めてで不案内のせいもあったが、次回行くとすれば１時間以上の乗り継ぎ時間が必要だと感じた。

２．安芸の宮島（１）

　新幹線で広島まで行き山陽本線に乗り換え宮島口まで行く。そこからJRのフェリーで宮島に行く。昼間９時から１６時までは大鳥居近くを経由して厳島神社が正面から見える観光コースを運行するのだが、当日は１７時を過ぎていたので宮島桟橋まで直行する便で、遥かに厳島神社の大鳥居を見ながら１５分ほどの船旅である。船上から宿泊するホテルに電話をして迎えに来て貰うことにした。（写真は弥山（みせん）と大鳥居遠景、厳島神社と大鳥居、宮島桟橋）

　ホテルはジャランで調べて紅葉が素晴らしいという紅葉谷（もみじだに）公園に近い「菊乃家」にした。朝食を含めて６,３１０円である。今年（2011）７月にオープンしたというまだ新しい感じのこじんまりとした閑静な宿だった。露天ぶろ付きの大浴場があるというので早速入り疲れを落とす。紅葉シーズンにはまだ間があるのでお客は少ないようだった。夕食は居酒屋でと思っていたのでフロントで聞くと「よさこい」という所を紹介してくれた。
　
　またライトアップされた夜景を撮るなら厳島神社の向かって右側にある西松原から神社を写すのが良いとのアドバイスを貰った。更に暗いからと懐中電灯まで貸してくれたりして、親身になって考えてくれる感じが伝わってきた。一昨日に十三夜のお供えをした月が丁度満月になって厳島神社の上を照らしていたが、デジカメが７１０万画素、望遠のF値が４.８と暗いカメラなのでなかなか良い写真にはならなかった。

　次に厳島神社入口の方に回ってライトアップされた大鳥居を見る。シーズンオフとはいえかなりの人が歩いている。また修学旅行の一団も来る。ライトアップされた大鳥居と厳島神社を見る観光船も運航している。観光船は大鳥居を潜って神社にお参りをするようになっている。五重塔もライトアップされているが光が弱く良く写らないようなのであきらめた。

　紹介された「よさこい」に行く。ホテルではホームページをコピーしたものと地図を渡してくれ、この辺りだとの印をつけてくれたのだが、実際には一区画ずれた所にあり周囲を一回りしてしまった。ここは居酒屋ではなくテーブル席と小上がり席がある普通の食事処である。宮島の料理屋や飲食店は店を早く閉めるので、夜、食事が出来る店はあまり無いようである。安芸宮島の名物は牡蠣と穴子料理と聞いていたので、まずカキフライと生ビールを頼んだ。生牡蠣は１１月中旬からででないと食べられない。外国人も来ていた。その後広島の酒「加茂鶴」を飲む。肴は牡蠣と穴子では贅沢過ぎると思い、もう一品は安いサーモンのカルパッチョを頼んだ。（以下次号）

注）　写真をクリックすると大きくなります。