新緑の奥入瀬から角館へ(平成19年5月21日〜5月23日 2泊3日の旅)
1.八幡平
以前、JR東日本の鉄道全線と函館まで一日乗り放題の乗車券と自由席特急券及び普通指定4回がセットになって6千円の「JR東日本乗り放題パス」という期間限定の商品があった。そのパスを利用して平成19年5月に新幹線で盛岡迄行き、レンタカーで八幡平から新緑の奥入瀬を見に行く計画を立てた。さらに十和田湖から樹海ラインという道をたどり、南下して田沢湖から角館を訪れ、小岩井農場を経由して盛岡に戻ることにした。
水戸を朝7時に出て特急「ひたち」で上野まで行き、東北新幹線「はやて」で盛岡に11時20分に着いた。早速レンタカーのホンダフィットに乗り込み出発する。レンタカー料金は48時間で1万3千円である。盛岡ICから高速道に入り、岩手山SAで盛岡冷麺を食べる。麺が随分固くて食べるのに苦労するほどだ。石川啄木の
「故郷の山に向ひていふ事なし 故郷の山は有がたきかな」 の歌碑が岩手山を眺められる場所に建てられていた。
松尾八幡平ICで降りる。岩手山の眺めもだいぶ変わってきた。5月下旬になれば桜もだいぶ前に終わって、新緑の芽吹きが見られる頃と思っていたのだが、岩木山は未だ雪がいっぱい残っている。八幡平展望駐車場近くも雪が多く残っており、八幡平山頂や八幡池への散策も出来ず、間近に見える岩木山などの展望を楽しんだだけで再び東北自動車道に乗り、八戸自動車道から百石道路の下田百石ICで降りた。そこから奥入瀬川に沿った国道45号から102号を遡ると1時間ほどで十和田湖温泉郷に着く。(写真はインターを降りた辺りからの岩手山、八幡平展望駐車場からの岩手山及び鳥海山遠望)
宿は「野の花 焼山荘」と云うところで温泉は源泉掛け流し、料理とお酒がおいしい宿だった。奥入瀬は紅葉の時期は混み合うが、新緑は見る人が少ないらしい。もっとも事前に問い合わせがあった時、新緑にはまだ早いと言われた。しかし来て見ると想像していたように萌黄色の瑞々しい新緑で良かったのだが、こちらではもう少し若葉が生え揃った頃を新緑と言うのかもしれない。宿もお客は少なく露天風呂も貸し切り状態だった。
2.奥入瀬
翌朝早速奥入瀬渓流探勝である。紅葉の頃は自家用車ではここから入れずシャトルバスに乗り換えるのだが、今は車の交通量が少ないため、レンタカーでのんびり走れる。また景色が良いところでは少し広い場所があれば一時停車できるので、気が楽だ。
5キロほど行くと石ヶ戸というポイントがあり、休憩所や駐車場もある。ここから奥入瀬渓流一の景観である「阿修羅の流れ」までは1キロ半くらいだというので、車を置いて歩いて往復することにした。渓流探勝は矢張り歩いて散策するのが一番である。また若葉がまだ小さいので滝を見るには良いと言われたので普段は見過ごしてしまう滝を見つけながら歩くのも良いと思ったためもある。
石ヶ戸とは石の小屋と云う事だそうで、大きな一枚板が屋根の様になっているのでそう言うらしい。この辺りからが渓流の眺めが良いところが続くのである。水量も多く、新緑の木々に映えて人物も緑に染まりそうである。時々つつじの花が咲いていてアクセントをつけている。
川に沿って遊歩道が続いており、川の流れが岩に当って砕ける場所や、川幅が広くゆっくりとした流れになっている所などを眺めながら、時折すれ違う人と挨拶を交わしたりして、のんびり歩く。
やがて阿修羅の流れのところに来たが、付近には車を止める場所が無く歩いて正解だった。ここは川幅が狭まり、水が飛び跳ねるように急流をなしており、大きな岩を押し流しそうな勢いがある。
この辺りから滝が多くなり、高さが25メートルある雲井の滝、対岸にある白布の滝、絹糸のような細い筋が集まったような白糸の滝、9段に流れ落ちる九段の滝、冬は見事な氷柱を造る双白髪(ともしらが)の滝などがあり、銚子大滝の少し手前に豪壮な寒沢の流れなどがある。(写真は左から雲井の滝、白布の滝、白糸の滝、九段の滝、双白髪の滝)
最後に幅20メートル、高さ7メートルの奥入瀬川本流にかかる銚子大滝が豊富な水量を流れ落としている。この滝は魚止めの滝と云われ、この滝があるため魚が遡上出来ず、明治時代に和井内貞行がヒメマスの放流に成功するまで、十和田湖には魚は生息していなかった。(写真は寒沢の流れと銚子大滝の遠景と近景)
銚子大滝を過ぎると若葉と清流に包み込まれた奥入瀬渓流は終わりを告げ、間もなく十和田湖の入口の子ノ口に達する。
(以下次号)
(H19-5-21〜5-22訪)
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