置賜1

置賜さくら回廊 (１) 霞城公園の桜・長井市の桜

イバイチの
旅のつれづれ

　霞城公園―置賜さくら回廊―高畠町の桜
　　　　（平成１６年４月２２日、平成２０年４月２１日）
　　（その１）
　　　　　霞城公園、置賜さくら回廊(長井市）
　　（その２）
　　　　　置賜さくら回廊(白鷹町）
　　（その３）
　　　　　置賜さくら回廊(南陽市）、高畠町の桜

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１．はじめに
　平成２１年から２５年まで毎年桜を見に行って、ブログやホームページにアップしているが、今回は平成１６年と平成２０年に行った山形県置賜地方の桜の古木が何本もあるさくら回廊についての紀行文を、山形市の霞城公園や高畠町のさくらの紀行と合わせてアップしたい。

平成２１年から２５年までにアップした桜紀行は
　　平成２１年（2009）山梨県の神代桜　　　　　　　（’０９山梨桜桃紀行）
　　平成２２年（2010）青森県の弘前城の桜　　　　　　（’１０桜の弘前など）
　　平成２３年（2011）長野県の松本城の桜　　　　　　（’１１安曇野の春など）
　　平成２４年（2012）福島県の会津若松鶴ヶ城の桜　（’１２五泉から会津へ）
　　平成２５年（2013）長野県の小諸懐古園の桜　（甲信の桜とチューリップ巡り）
である。それ以前にも
　　平成１６年（2004）に福島県三春の滝桜　（フォトギャラリー三春桜めぐり）
　　平成１４年（2002）に長野県高遠の桜　　　　　　　（’02高遠の桜など）　
など近隣の知られた桜はだいぶ見る事が出来た。

２．霞城公園
　さて、今回は山形市の霞城公園からの出発である。戦国時代最上氏の居城だった山形城は主要な合戦の時、城郭が霞で隠れた事があって霞ヶ城と呼ばれていたため、戦後（昭和２０年）、霞(か)城公園とという名で一般に開放された。

　二の丸の堀と石垣などの遺構がある山形城址は昭和６１年（1986）に国史跡に指定されており東大手門が復元されている。ここは桜の名所として知られており、桜の季節は隣接して走る奥羽本線が観桜のため速度を落として通行するほどである。（写真は東大手門からの桜と堀、東大手門付近と桜、外濠と桜、城内の石垣と桜）

　この公園には１５００本ほどの桜があるが、そのうちソメイヨシノが１２００本あり、石垣や堀と共に城址の景観を華やかに形作っている。また何本かあるしだれ桜が鮮やかなピンクの花を沢山付けていた。（写真はソメイヨシノと外濠、しだれ桜３景）

３．置賜さくら回廊

 　山形県は日本海に面した酒田市、鶴岡市を中心とする庄内地方、内陸北部にある新庄市を中心とする最上地方、山形市を中心とする村山地方、内陸南部の米沢市を中心とする置賜地方の４地区に分かれるが、置賜地方の北部にある南陽市、長井市、白鷹町を結ぶフラワー長井線沿いに点在する桜の巨木約２０カ所を結んだ約４３kmの観光ルートを平成６年に設定したものが「置賜さくら回廊」である。

　平成１６年に国の天然記念物である久保桜を出発点として最上川の左岸を北上し、白鷹町荒砥から右岸を南下して南陽市の烏帽子山公園、高畠町安久津八幡神社まで行ったので、その順路に従って述べて行く。

　その後平成２０年に山形市霞城公園から山形市周辺の桜を見て、置賜さくら回廊の左岸を南下し、長井市から小国街道（国道１１３号線）を新潟県村上市の瀬波温泉に行ったので、その時の写真も載せてある。

　（１）長井市の桜

　[①　伊佐沢の久保桜]
　樹齢１２００年のエドヒガンの巨木で、置賜さくら回廊では草岡の大明神桜と共に国指定天然記念物である。昭和２５年に天然記念物に指定されている。現在でも開花時には枝いっぱいに花をつけるが、老朽化した幹を支える支柱が６０本以上あり樹勢回復作業を１０年掛けて行っているそうである。樹高は１６mで幹の太さは９mで昔は枝の広がりが４０アールあり、四反桜の異名があった。開花時には米沢藩主も訪れて、樹下一反歩の土地を無税地にしていたという。（写真は久保桜５景）
　この桜の起源は、征夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷討伐の時、この地の豪族久保氏の娘｢お玉｣が侍ったが、将軍が去ってからも｢お玉｣は恋慕の情に耐えきれず翌年病没してしまった。将軍はその死を悼み桜の苗を贈ったという口伝があり、久保桜は別名｢お玉桜｣としても親しまれているということである。

　[②　草岡の大明神桜]

　伊佐沢の久保桜と同じく樹齢１２００年のエドヒガンの巨木である。この木には征夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷を平定した記念に５本の桜を植えたが、その中の１本との言い伝えがある。また伊達正宗が初陣で敗北を喫した時、この桜の洞に身を隠し生き延びたとの伝説があり、後にこの桜を手厚く保護させたとの話が残っている。この桜の受講は１８．８mで幹周は１１m近くあり、平成２５年に天然記念物に指定されている。個人の住宅敷地内にあるサクラでは最大規模とのことである。（写真は大明神桜２景）
　　個人の住宅の裏庭にあるので見学する場所が狭く、花付きもあまり良く無くて地味な印象の桜である。

　［③　白兎のしだれ桜］

　樹齢１５０年ほどのしだれ桜で葉山神社の境内にある。葉山神社は約６００年前にこの地である葉山平に開山したが、その時白兎が道案内したというのでこの地区が白兎と名付けられた。白兎地区では白兎を神の御使いで幸せを招く兎であるとして家畜として飼うのを禁じてきたそうである。江戸末期から明治初期にかけて白兎地区の神社がこの葉山神社に合祀され、それを記念して植樹したものがこのしだれ桜だそうである。（写真は白兎のしだれ桜４景）
　「日本三十三枝垂桜」の一つになっているとされているが、ネットで調べてもその内容は判らなかった。ただ、毎日新聞社から「枝垂桜三十三選」（さとうつねお著、1992年発行）という大型本が出版されているので、それに掲載されているのかもしれないが、この「白兎のしだれ桜」の解説以外には良く知られたしだれ桜には「日本三十三枝垂桜」の記述が無いのはおかしな話である。

（以下次号）

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